第2期医薬安全性研究会

Japanese Society for Biopharmaceutical Statistics - Since 1979 (1st 1979~2007, 2nd 2007~)

私の不携帯電話

胸ポケットに振動がする。携帯電話が鳴っているのである。「何?大野さんが携帯電話などと言う文明の利器を持っているの?信じられない!」という声が聞こえてきそうである。私もそう思う。

実は、全く興味がないし、持ちたくもなかったのである。しかし、昨年の夏に、数学工房の桑野氏から、万一連絡をとるときに必要だから携帯電話を所持してくれ、と強く勧められたのであった。しかも、「自分も持つから」とまで念を押されては、承諾する他はなかった。

我が社のスタッフに意見を聞いたら、まるで待ってましたとばかりに賛成され、その日のうちに高塚君が買いに出かけ、あっという間に手許に携帯電話がもたらされたのである。

しかし、私は普段は持ち歩かない。机上に置いてある。何故なら、必要を感じないから。用件は会社の電話で十二分に果たされているし、mailもある。実際、私の携帯にはi-mode機能は付いていない。

携帯でなければならない連絡と言うのもないのである。

出張に行くときは、携帯を持って出る。よく忘れて取りに帰ったり、当社のスタッフに注意されたりして、ようやく持って出る有様ではあるのだが。

出張時の行動は、歩いているか、列車に乗っているか、相手先で会話をしているかのどれかに限られる。ポケットにでもしのばせておくと、発信音も聞こえないし、着信を確かめている余裕もない。そうこうするうちに会議も終ってしまい、夕方5時を過ぎてしまう(スタッフの帰宅の時間)。ほとんど役に立てたことがないのである。

たまたま、小社が事務局をやっている医薬安全性研究会の96回定例会(2003年11月1日)で、発表のなかで、「携帯電話の着メロはカスタマイズがあたりまえ」という紹介があった。これによると、変更したことはない人は、どの年齢層でも5%以下だそうである。(携帯電話の着メロの変更頻度「あなたはデフォルト派ですか、カスタマイズ派ですか?」土井美和子、情報処理 44巻3号 より)

私は、そのまれなる5%の中に入っている、という訳だ。と言うか、そもそも、私の携帯には着信メロディーなど装備されていない。マナーモードにしたままなので、振動しているだけである。

私の、こうした携帯電話への無関心に輪をかけているのが、マニュアル嫌いである。持っているドコモの取扱説明書は500頁近くあり、まず、読む気がしない。そこで、クイックマニュアルを見るのだが、理解できない。ほとんど説明がないからである。例えば「着信履歴」を調べようとする。マニュアルには、「イージーメニュー「着信履歴」選択」としか書かれていないが、そもそも、どういう操作によって選択できるのかが、よく分からないから、やたらにキーを押したり、スクロールしたりする。今日、取扱説明書の着信履歴の項をじっくりと読んで、やっとセレクターの使い方が分かったという次第である。そんな訳だから、電話帳の登録すらまだやらないでいる。といった有様であり、要するに最低限の電話としてしか機能していないのだ。

やれやれ、今日は、一体、何回「ない」を使ったことだろう。

ちなみに、桑野氏の携帯は、その後奥さんに占領されて、今は持っていない、と言うことだ。

えっ?私の携帯の番号を教えて?すいません。私もまだ覚えていないんですよ。

(2004.3.10)