第2期医薬安全性研究会

Japanese Society for Biopharmaceutical Statistics - Since 1979 (1st 1979~2007, 2nd 2007~)

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メールマガジン(2018年7月13日)
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第2期 医薬安全性研究会 メールマガジン No. 59 2018年7月13日
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■ Headline ========================================================
・第2期医薬安全性研究会 第22回定例会のご案内
・2018年度 第2期医薬安全性研究会 定例会の予定
・第2期医薬安全性研究会 第18回定例会資料の公開のご案内
・第2期医薬安全性研究会会員募集:ホームページで受付中
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◆配信中止は,http://biostat.jp/mmuser.phpからお願いします.
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■本日のニュース ===================================================
第2期医薬安全性研究会 第22回定例会のご報告new

【アジェンダ】
日時:2018年06月09日(土)10:00-12:00,13:00-17:00
場所:東京医科歯科大学 歯学部7号館1階講義室1, 東京都文京区湯島1-5-45

13:00-17:00
第22回定例会 「毒性・薬効データの統計解析(ピンク本)」の次のステップ
1.定量値データの決定樹からパラ・ノンパラを使い分けない解析へ
-平均と標準偏差を共に評価する手順の提案-    半田 淳(Biostat研究所)
2.二値データの用量反応関係における新たな解析
 -プロビット法・ロジット法・補2重対数法の実際と使い分け-
                        高橋行雄(Biostat研究所)
招待講演「新版 実用SAS生物統計ハンドブック[SAS9.4/R3.2.0対応]」の紹介
                   臨床評価研究会(ACE)基礎解析分科会

また,同日10:00~12:00には,以下のテーマで基礎セミナーが開催されました.
★じっくり勉強すれば身につく統計入門
 平均と標準偏差を共に考慮した新たな2群間比較
             福島慎二・半田 淳・高橋行雄(薬理統計グループ)

第22回定例会は,23名の参加(内,会員14名)の下,活発な討議が行われました.

今回は「毒性・薬効データの統計解析(ピンク本)の次のステップ」と題し,
1987年のピンク本出版以降に実用化された尤度を使った解析について2演題の
発表があり,様々な討論がなされました.
始めに,現在でも一般的に使われている計量値の決定樹に対して,母集団に
正規分布を仮定して尤度という指標を用い,群間で想定した統計モデルに
ついて尤度比検定で平均と標準偏差を共に評価する手順について,ピンク本の
血中ヘモグロビン量のデータを用いて比較した結果が発表されました.まず,
Excelおよび統計ソフトJMPの「寿命の一変量」を用いて対照群について
最尤法で母集団の平均と標準偏差を推定する手順が示されました.次に全群に
ついて想定できる4種類の統計モデルと,各モデルのパラメータと尤度の推定
方法および群間比較に利用する尤度比検定について,ExcelおよびJMPの
「寿命の二変量」での解析手順が示されました.最後に用量相関性を前提と
した群間比較について,尤度比検定による直線回帰分析を高用量群から閉手順
で適応する手順が示されました.従来の決定樹では本データに対して等分散性
が認められないことから,ノンパラ手法が選択され,対照群に対して最高およ
び高用量群の2群で有意差があることがわかっただけでしたが,提案した手法
では中用量以上の群で直線的に減少し,最高用量群では標準偏差も広がること
が明らかにされました.今回解説された手順は,母集団のモデルを明確にし,
得られたデータの情報をより活用できるため,広く利用されることが期待され
ます.
2つ目の演題は,シグモイド曲線を描く二値データの用量反応関係を一般化線
形モデルで解析する手順についてでした.従来の解析方法としては,ピンク本
でプロビット法,「医薬品開発のための統計解析」(グリーン本)でロジット
法が紹介され,ほぼ同じ結果になることが知られています.最近は,統計モデ
リングを活用する生態学などの分野で二値データをプロビットやロジットなど

のリンク関数を用いて線形化する一般化線形モデルが広く使われており,最尤
法を用いて解析されます.プロビット法,ロジット法,補対数-対数(補2重対数)
法がどのような変換を行っているのか,元の分布は何かなどについて,JMPの
「モデルのあてはめ」に設けられた「一般化線形モデル」およびExcelを使い,
グリーン本の副作用の事例を用いて順を追って示され,JMPで「リンク関数」を
選択する際,プロビット法,ロジット法,補2重対数法がデータによって
どのようにあてはまるのか,それぞれの使い分けについて解説されました.
なお,詳細な解説は,続・高橋セミナー 第6回
(http://www.yukms.com/biostat/takahasi2/rec/006.htm) として公開されて
います.

招待講演では,最近新版になった「実用 SAS生物統計ハンドブック」について
です.本書籍は2005年に初版が出版され,生物統計担当者の間で広く用いられ
てきましたが,12年の歳月を経て,旧版同様に臨床評価研究会(ACE)の基礎解析
分科会の活動成果として故 浜田知久馬教授の監修の元で新版を発刊されました.
最新SAS9.4の機能拡張への対応や,近年話題となっている解析手法を大幅に
追記し,さらに臨床研究の場で広く普及しているフリーソフトウェアR3.2.0の
プログラム例も付記され,製薬企業の統計解析担当者のみならず,基礎の研究
者から臨床で統計解析を必要とする医療従事者にとっても,バイブルとして活
用できる一冊になっています.発表では,本書のコンセプトと出版までの検討
過程,更にSASに追加されたPOWERプロシジャによる症例数設定,最近話題に
なっている欠測のあるデータの多重補完(MI)法や感度分析,SASとRでの結果の
違いなどのトピックなどを紹介されました.

今回は,発表テーマが尤度比検定を用いた新たな手法の提案となり,難しいと
いう印象のためか,参加者が今まで一番少なくなってしました.実際の発表に
つきましては,質問や解説もふんだんに行われ,参加された方にとって有益な
内容であったと感じました.第23回定例会のテーマは,身近で魅力的なものに
したいと思い,アンケートなどを計画しております.決まり次第メールおよび
ホームページで案内を致しますので,是非皆様のご意見をいただきますようお
願いいたします.

午前中に行われた関連セミナーの「じっくり勉強すれば身につく統計入門」には,
17名の方が参加(内会員12名)されました.正規分布を前提とした2群間の比較
には,予備検定にF検定を使ってt検定とWelch検定を使い分ける手順が一般的で,
標準偏差が異なることは重視されていませんが,尤度比検定を使うと,平均
だけでなく標準偏差が異なることも群間の違いと考えた解析が実施できることが,
定例会の発表と関連して解説されました.なお,使用したスライドにつきまし
ては過去の発表も含めサイエンティスト社のホームページから入手可能ですの
で,理解を深めるために活用ください.

http://www.scientist-press.com/12_280.htm

また,定例会後には別会場で懇親会が開催され,今回のテーマを話題に活発な
交流を図る事ができました.定例会では聞けなかった疑問の解決も出来るかも
しれませんので是非ふるって参加していただければと思っております.

今後も,更に魅力ある企画を準備してゆきますので,実務で統計に関する問題
に直面していたり,疑問をもっておられる方々の定例会への参加を期待して
おります.

なお,今回の定例会の内容につきましては,会員の方は会員ページのアーカイ
ブスの事前公開資料で確認することができます.

また,過去の定例会の発表および討議内容などをホームページで公開して
おり,第1回から第6回および第19回定例会以降の分も,ダウンロードできる
ように作業を進めております.

■ 第2期医薬安全性研究会 第18回定例会資料の公開のご案内

 定例会での発表内容につきましては,公開資料を作成し,ホームページにて
ダウンロードできるようすることをお約束しておりました.
新たに第18回定例会分につきまして,以下のとおり公開いたしましたので,
お知らせいたします.
ダウンロードは自由ですので,ご活用ください.

ダウンロード先:第2期医薬安全性研究会ホームページ
 -アーカイブス
  -医薬安全研定例会資料(https://biostat.jp/archive_teireikai_2.php)
   発表単位でPDFファイルとして登録

内容:一般的な学術文献スタイルに合わせて,表紙に表題,発表者,要約,
キーワード,目次を入れました.
本文は,発表スライドに発表者の解説文を加え,参考資料を追加してあります.

 単なるパワーポイントスライドでは十分に理解できない点について,発表者と
編集担当者で詳細に検討して作成しておりますので,定例会に参加できなかった
方々にとっても理解しやすい資料になっていると思います.
 ご興味をもたれた方だけでなく,会社や研究機関などで仲間とともに勉強する
際の資料としてもご活用いただければ幸いです.
 なお,本資料の著作権は本研究会が保有しております
(https://biostat.jp/copyright.php).

■ 第2期医薬安全性研究会会員募集:ホームページで受付中

医薬安全性研究会は,会員相互の「知りたい」,「知らせたい」という
熱意によって活発な活動を行っておりましたが,事務局長の死去に伴い
2007年3月10日の第110回定例会をもって終了しました.
第2期医薬安全性研究会は同年3月6日に組織を立ち上げ,その後年2回の
定例会を積み重ねております.また,その間の成果については,定例会資料の
公開や拡大勉強会などを通してフィードバックを行っております.活動内容に
つきましては,ホームページで確認できますので,この機会に,是非とも会員
として参加し,更に盛り上げてくださいます事を期待しております.

入会手続きは,ホームページの入会方法のページから簡単に行えます.

 ホームページ  https://biostat.jp
 入会案内ページ https://biostat.jp/join_process.php

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第2期医薬安全性研究会
●担当 山田 雅之
E-mail toiawase@biostat.jp
Presentation URL http://biostat.jp/
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2018/07/13 15:15:04