第2期医薬安全性研究会

Japanese Society for Biopharmaceutical Statistics - Since 1979 (1st 1979~2007, 2nd 2007~)

第2期医薬安全性研究会について

本研究会は、医薬品や医療機器の開発に関する様々なデータの解析にまつわる問題について、インターネットを活用し、統計の専門家と現場の実務家がそれぞれの立場から考えるところを忌憚無く討議しあい、現場に即した解決策を確立すると共に、その結果をフィードバックすることを目的としております。

活動はテーマ別のグループを立ち上げ、その中に具体的な問題についてのワーキングチームを作って、頭を突き合わせて討議していきます。

成果は、定例会で発表して様々な方のご批判を仰ぎ、更には関係する学会誌などに報告すると共に、セミナーや勉強会を開催し、医療関係者にフィードバックしていくことを計画しております。

医薬品等開発の現場で、統計に関する問題を抱えておられる実務家の方、具体的なデータと研究テーマを模索されている統計研究者の方、今までの経験を若手に伝えたいと考えておられる専門家の方、皆様のご参加をお待ち致しております。

会員サービス:会員は以下のサービスを受ける事ができます

定例会資料事前入手、会員向けニュースレター配信、グループメーリングリストへの参加、グループ活動資料の共有、総会資料・会員一覧・決算予算の閲覧、新規テーマの提案とグループの立ち上げ


会員数:  一般会員 60 、 特別会員 2 、 賛助会員(法人) 1 、     計 63      (2023年3月26日 現在)

WHAT'S NEW //

  • 2022年11月16日 「第2期医薬安全性研究会ニュースレターNo.57」を発行しました。
  • 2022年11月07日 「メールマガジン(2022年11月7日)」を発行しました。
  • 2022年10月25日 「メールマガジン(2022年10月25日)」を発行しました。
  • 2022年10月19日 「メールマガジン(2022年10月19日)」を発行しました。
  • 2022年06月15日 「第2期医薬安全性研究会ニュースレターNo.56」を発行しました。
*ニュースレターは会員への連絡メールです。

TOPICS //

第2期医薬安全性研究会 第28回定例会のご報告new

【アジェンダ】
日時:2022年06月18日(土)14:30-17:20
場所:ZoomによるWEB会議

14:30-17:30
第28回定例会
非臨床試験における試験計画と論文投稿の統計的留意点
1.欧米の主要な薬理系雑誌にみる実験デザインと解析の注意点
−British Journal of PharmacologyおよびJournal of Pharmacology
and Experimental Therapeuticsのガイドラインを中心に−     原田 淳(第一三共)
2.日本における非臨床試験の試験計画及び報告の統計的留意事項の検討
                            山田 雅之(キッセイ薬品)
3.試験計画書・報告書作成の統計的留意事項-研究現場での運用と
課題と対応のあるデータの多重比較-
            橋本 敏夫(タクミ IT),河口 裕,中西 展大(田辺三菱)

第28回定例会は,32名の参加(内,会員17名)の下,活発な討議が行われました.
「欧米の主要な薬理系雑誌にみる実験デザインと解析の注意点−British Journal
of Pharmacology および Journal of Pharmacology and Experimental Therapeuticsの
ガイドラインを中心に−」は,背景として近年,医学生物分野の論文の再現性が悪いことから,
実験デザインや統計解析の不適切が問題になり,様々な欧米雑誌でガイドランが出ていることが
あります.
本発表では薬理系2雑誌のガイドラインの内容を主に取り上げ,例数設計,ランダム化及び
盲検化の必要性や,図示として棒グラフとエラーバーでなく,箱ひげ図や個別値の記載,
検定 P 値を記載するだけでなく変化量とその 95%信頼区間の記載を推奨する等,基本的では
あるが従来必ずしも徹底されていなかった内容が示されました.
しかし,両雑誌で方針の違いが種々存在しており,ガイドラインに従っていない論文もまだ
掲載されています.今後,主要な雑誌に論文がスムーズに受理されるためには,投稿する前に
十分理解しておくべき内容でした.

次の「日本における非臨床試験の試験計画及び報告の統計的留意事項の検討」は, 1997年に
発足した日本製薬工業協会 統計特別小委員会がまとめ,2000年の日本薬理学雑誌に掲載
された内容の紹介でした.当時は医薬品評価の高度化・精緻化に伴い,増加した試験計画
立案時や報告時の統計的配慮の不足などに起因する統計的な問題に対して,薬理研究者を
対象として留意事項をまとめたものはほとんどなかったことからTopicsとして検討されました.
本発表では,論文の概要を示し,医薬安全性研究会での発表時の議論が紹介されました.
内容については,統計的留意事項を広く解説しており,想定している検証的薬効薬理実験以外
でも有用であるとのことでした.また,BJPのガイダンスと比較すると,Replicatesに
対する考え方が示されていないことや最小症例数(n≧5)の記載がないことなどの違いが
ありましたが,ほぼ一致していたとのことでした.

最後の「試験計画書・報告書作成の統計的留意事項-研究現場での運用と課題と対応のある
データの多重比較-」では,製薬協の試験計画書と試験報告の統計的留意事項に関して,
業界での具体的な運用状況と課題についての見解が示されました.これらは,現在でも有用な
資料ですが,一部については柔軟な運用も可能と考えられます.
また,個体に対応がある場合のDunnett検定,高用量からの固定順検定,逐次型Dunnett検定,
Williams検定の対応ありへの拡張について,対応を考慮しない場合とした場合で用量反応性の
パターンとの関係について検討した結果,個体の対応を考慮するとより低用量でも有意性が
確認でき,試験デザインに適応した解析法の活用が重要であること,高用量からの固定順検定と
Williams検定は調整p値を活用すること,及びWilliams検定の対応のあるデータへの拡張は、
第1種の過誤を制御しDunnett検定や固定順検定よりも高い検出力を有していることから
薬効薬理試験で有用な多重比較法となり得ることが示されました.

定例会に先立って開催された関連セミナー「じっくり勉強すれば身につく統計入門」には,
26名(内会員14名)が参加され,以前取り上げた「誤差が複数ある場合の実験計画法による
解析手順」について改めて勉強しました.なお,セミナーで使用したスライドについては
サイエンティスト社のホームページから入手可能ですので,理解を深めるために活用ください
(https://scientist-press.com/tokei-nyumon/).

また,定例会後には引き続きZoomでの懇親会が開催され,今回のテーマを話題に活発な交流を
図る事ができました.懇親会では定例会で聞けなかった疑問も気軽に質問できますので是非
ふるって参加していただければと思っております.

今後も,更に魅力ある企画を準備していきますので,実務で統計に関する問題に直面して
おられたり,疑問をもっておられる方々の定例会への参加を期待しております.

なお,今回の定例会の内容につきましては,会員の方は会員ページのアーカイブスの
第28回定例会の事前公開資料で確認することができます.

また,過去の定例会の発表および討議内容などをホームページで公開しており,未公開の分も,
ダウンロードできるように作業を進めております.

(2022/11/07更新)

第2期医薬安全性研究会 総会及び第29回定例会のご案内(第2報)new
第29回定例会及び総会は,COVID-19の状況を勘案してオンラインで開催いたします.

参加費は会員2,000円,非会員3,000円です.

●第29回定例会のプログラムの公開及び事前登録の受付を開始いたしました.

登録は,以下のリンクからお願いします.

第29回定例会 事前登録


      第29回定例会 事前登録


上記登録ページにて,”参加する”のボタンを押し,必要事項をご記入ください.
会員の方は,会員番号及びパスワードを入力するだけで,登録済みの情報が自動的に
入力されます.

なお,それぞれの登録が必要となりますので,ご注意下さい.

定例会に事前登録終了後,参加費を以下の口座までお振込みください.
第2期医薬安全性研究会基礎セミナーのみ参加される方は,振り込みは不要です.

銀行名 ゆうちょ銀行(金融機関コード 9900)店名 〇一九 店(店番 019)
預金種目 当座口座番号 0725443
カナ氏名 タ゛イニキイヤクアンセ゛ンセイケンキユウカイ

参加登録及び入金確認がされた方に対して,登録されたメールアドレスに
ZoomのURLとパスワードの情報をお送りいたします.
なお,送信するまでに時間を要しますので,早めに参加登録及び参加費の
お振込みをしていただきますようお願いいたします.

【アジェンダ】

総会及び第29回定例会:2022年11月19日(土) 13:00-17:00
場所:Zoom によるオンライン開催

*第16回総会 (13:00~13:30)

*第29回定例会 (13:30~17:00)

1.教育講演 東京医科歯科大学 平川 晃弘先生
  マスタープロトコルを用いた臨床試験の概説

2.副作用シグナルの可視化とその活用-副作用データベース JADER の分析について-
  武藤 猛(MarkeTech Consulting)

      プログラム(PDF)をダウンロードダウンロード

(2022/10/25更新)

関連セミナー 資料公開先の変更について
定例会の午前中に開催しております,基礎セミナー 「じっくり勉強すれば身につく統計入門」の
資料公開先が変更されております。

以下のURLから資料を入手可能です。

関連セミナー資料

(2020/04/14更新)