第2期医薬安全性研究会

Japanese Society for Biopharmaceutical Statistics - Since 1979 (1st 1979~2007, 2nd 2007~)

第2期医薬安全性研究会について

本研究会は、医薬品や医療機器の開発に関する様々なデータの解析にまつわる問題について、インターネットを活用し、統計の専門家と現場の実務家がそれぞれの立場から考えるところを忌憚無く討議しあい、現場に即した解決策を確立すると共に、その結果をフィードバックすることを目的としております。

活動はテーマ別のグループを立ち上げ、その中に具体的な問題についてのワーキングチームを作って、頭を突き合わせて討議していきます。

成果は、定例会で発表して様々な方のご批判を仰ぎ、更には関係する学会誌などに報告すると共に、セミナーや勉強会を開催し、医療関係者にフィードバックしていくことを計画しております。

医薬品等開発の現場で、統計に関する問題を抱えておられる実務家の方、具体的なデータと研究テーマを模索されている統計研究者の方、今までの経験を若手に伝えたいと考えておられる専門家の方、皆様のご参加をお待ち致しております。

会員サービス:会員は以下のサービスを受ける事ができます

定例会資料事前入手、会員向けニュースレター配信、グループメーリングリストへの参加、グループ活動資料の共有、総会資料・会員一覧・決算予算の閲覧、新規テーマの提案とグループの立ち上げ


会員数:  一般会員 89 、 特別会員 1 、 賛助会員(法人) 1 、     計 91      (2020年2月24日 現在)

WHAT'S NEW //

  • 2019年11月21日 「メールマガジン(2019年11月21日)」を発行しました。
  • 2019年11月05日 「第2期医薬安全性研究会ニュースレターNo.54」を発行しました。
  • 2019年10月16日 「メールマガジン(2019年10月16日)」を発行しました。
  • 2019年07月11日 「メールマガジン(2019年7月11日)」を発行しました。
  • 2019年06月04日 「第2期医薬安全性研究会ニュースレターNo.53」を発行しました。
*ニュースレターは会員への連絡メールです。

TOPICS //

第2期医薬安全性研究会 総会及び第25回定例会のご報告new

【アジェンダ】
日時:2019年11月9日(土)10:00-12:00,13:00-17:00
場所:東京医科歯科大学 歯学部7館 1階講義室1, 東京都文京区湯島1-5-45

13:00-13:30
第13回総会 役員改選,2018年度事業及び決算報告,2019年度事業計画及び
予算承認

13:30-17:00
第25回定例会
1.副作用報告データベースのR AnalyticFlow での解析手順
澤田克彦(大鵬薬品工業)

2.P値と仮説検定はなぜ問題になっているのか
最近のP値をめぐる話題のまとめ 山田雅之(キッセイ薬品)
非臨床試験ではどう対応するか(過去の議論の紹介と課題整理)
橋本敏夫(田辺三菱製薬)
過去の安全研でのモデルベースの推定事例の紹介 福島慎二(タクミ IT)
P値をめぐる2つの立場 その試験で何を判断しますか
  半田 淳(BioStat研究所)

また,同日10:00~12:00には,以下のテーマで基礎セミナーが開催されました.
★じっくり勉強すれば身につく統計入門
・統計的推測 牛渡 愛
・仮説検定の具体的手順:平均μに関する推測(母標準偏差σ既知)
穐山雅子(東京医科歯科大学)

 第25回定例会は,24名の参加(内,会員19名)の下,活発な討議が行われました.
 今回は,無料ソフトを使った医薬品副作用データベース(JADER)の解析手順の
紹介と最近話題になっている統計的有意性とP値をとりあげましたが,想定した
聴衆への案内が不足していたのか,参加人数は伸びませんでした.発表内容は
きちんと整理して公開いたしますので,じっくり勉強していただければと願って
おります.
 始めの演題は,JADERを無料のソフトウェアで分析する方法についてです.薬剤
疫学グループは2012年の公開開始時から,定例会やSASユーザー総会などで,
解析ソフトウェア JMPRを用いた解析について発表してきました.しかし,解析に
必要となるデータへの加工は,膨大なデータを扱うため,現場でよく用いられる
Excelなどでは実施できず,対応できる統計ソフトウェアは高価で,使いこなすが
大変なことから,医療現場での応用は進んでいません.今回,無料の解析ソフト
ウェア「R」を簡便に利用できるツールである「R AnalyticFlow」が取り上げられ,
具体的な解析手順が詳細に紹介されました.
 次からの演題は,近年話題となっているP値と仮説検定についての議論を整理し,
医薬安全性研究会で議論をしてきた話題を示して,理解を深めることを目指しま
した.
本セッションの始めの演題として,2016年にAmerican Statistical Associationが
示した統計的有意性とP値に関する声明(ASA声明)に関連した話題の解説が行われ
ました.2019年6月の朝日新聞の「統計的有意は誤解の温床」という記事は 2019年に
Nature誌のComment "Retire statistical significance"をベースにした解説で,
このCommentに対して800 名を超える科学者が署名を行っていることが取り上げら
れています.このような P値論争の歴史的経緯について触れ,どのように対応する
かが総括されました.また,2019年9月のNew England Journal of Medicine誌の
統計に関する投稿規定の改訂についても解説されました.
 2つ目の演題では,過去の定例会発表及び日本薬理学雑誌統計特集から事例を分析し,
非臨床試験での課題と対策について総括されました.1)定型的な毒性試験では,
α=0.05による判定は毒性学的判断とも概ね整合しており,検定結果はフラッギング
として利用できる,2)薬物動態,製剤,基盤研究の領域における統計の活用は
モデルベースの解析や区間推定が中心である,3)薬理試験ではモデルによる統計的
推定が活用されている,4)統計的検定によるP値は有用なツールであり,適切に
活用するための教育が重要である,5)創薬の早期ステージ等では,柔軟な有意水準
(α)を設定して判断すればよい,6)統計的検定やP値の適切な利用とモデルベース
の推定の活用のためには医薬安全性研究会及び第2期医薬安全性研究会の資料は
有益である,とまとめられました.
 3つ目の演題では,モデルベースの推定の事例について解説されました.in vivo
試験は,仮説検定(複数用量の試験では Dunnett 検定等)が汎用されていますが,
使用動物数の制限から用量の水準数を増やすことは困難な場合が多くあります.
過去の本研究会において種々のモデルベースの推定が提案されています.旧医薬
安全性研究会 第109回定例会の「薬理試験データへの非線形モデルの活用 用量
依存性データ解析への活用」では,コントロール群を陰性対照,正常群を陽性
対照としたSigmoid-Emaxモデル式をあてはめることでin vivo試験でもED50値を
算出できることが示されました.第2期医薬安全性研究会 第8回定例会の「多剤
用量反応実験の新たな統計解析 薬理実験における効力比の直接算出」では,
多剤用量反応実験にSigmoid-Emaxモデルをあてはめることで,効力比と信頼
区間を直接算出できることが示されました.モデルベースの推定は,検定
(多重比較法)に比して実験の目的(各薬物の用量反応性の検討)に合致した
有用な情報が得られると期待され,普及することを期待すると述べられました.
 最後の演題は,P値をめぐる歴史的な論争についての解説でした.Fisherは
実際的なデータの研究に基づき統計学理論を確立した立場から,P値は仮説の
正しくないであろうと考えられる程度の強さとし,参考にとどめて総合判断
するという統計学的推論が重要としました.一方,Neymanと Peasonは頻度論の
立場から個々の実現値をもとにP値を議論することは客観的に根拠を持たない
とし,第1種と第2種の過誤を元に症例数を設定した試験において,予め設定した
棄却限界との判断にP値を用いるとする,統計学的判定を提唱しました.医薬品
開発の各段階で探索的に行う試験では,有意水準5%などの機械的判定でなく,
効果量や検出力分析なども活用したFisher流の総合判断が望ましく,次の段階に
進む際はNeymam-Peason流の検証的な試験で統計学的判定を行っておくことが
重要ですが,段階を進めるための判断はあくまでもその時点のものであり,
その後の情報によってアップデートしてゆく必要があると解説されました.

定例会に先立って開催された第13回総会に置きまして,会長及び監査役の役員
改選,2018年度決算書と活動についての報告と監査結果が公表され,2019年度
予算書及び事業計画についての説明と承認が行われました.なお,総会及び
決算などの資料につきましては会員ページ内のアーカイブスにて公開されます
ので,ご確認ください.

午前中に行われた関連セミナーの「じっくり勉強すれば身につく統計入門」には,
19名の方が参加(内会員14名)され,午後の定例会に備えて以前取り上げた
「統計的推定」及び「仮説検定の具体的手順:平均μに関する推測(母標準
偏差σ既知)」を改めて勉強しました.なお,使用したスライドにつきましては
過去の発表も含めサイエンティスト社のホームページから入手可能ですので,
理解を深めるために活用ください(https://scientist-press.com/tokei-nyumon/).

また,定例会後には別会場で懇親会が開催され,今回のテーマを話題に活発な
交流を図る事ができました.定例会では聞けなかった疑問の解決も出来るかも
しれませんので是非ふるって参加していただければと思っております.

今後も,更に魅力ある企画を準備してゆきますので,実務で統計に関する問題に
直面していたり,疑問をもっておられる方々の定例会への参加を期待しております.

なお,今回の定例会の内容につきましては,会員の方は会員ページのアーカイブス
の事前公開資料で確認することができます.

また,過去の定例会の発表及び討議内容などをホームページで公開しており,
未公開の分も,ダウンロードできるように作業を進めております.

(2019/11/21更新)

第2期医薬安全性研究会 第22回定例会資料の公開のご案内new

 定例会での発表内容につきましては,公開資料を作成し,ホームページにて
ダウンロードできるようすることをお約束しておりました.
新たに第19回定例会分の一部と第21回定例会分につきまして,以下のとおり
公開いたしましたので,お知らせいたします.
ダウンロードは自由ですので,ご活用ください.

ダウンロード先:第2期医薬安全性研究会ホームページ
 -アーカイブス
  -医薬安全研定例会資料(https://biostat.jp/archive_teireikai_2.php)
   発表単位でPDFファイルとして登録

内容:一般的な学術文献スタイルに合わせて,表紙に表題,発表者,要約,
キーワード,目次を入れました.
本文は,発表スライドに発表者の解説文を加え,参考資料を追加してあります.

 単なるパワーポイントスライドでは十分に理解できない点について,発表者と
編集担当者で詳細に検討して作成しておりますので,定例会に参加できなかった
方々にとっても理解しやすい資料になっていると思います.
 ご興味をもたれた方だけでなく,会社や研究機関などで仲間とともに勉強する
際の資料としてもご活用いただければ幸いです.
 なお,本資料の著作権は本研究会が保有しております
(https://biostat.jp/copyright.php).

(2019/10/16更新)

関連セミナー 資料公開先の変更についてnew

定例会の午前中に開催しております,基礎セミナー 「じっくり勉強すれば身につく統計入門」の
資料公開先が変更されております。

以下のURLから資料を入手可能です。

関連セミナー資料

(2019/07/12更新)